白血病で脾臓摘出されたジョンムーア事件の真相は?裁判やゴルディ医師のその後は?アンビリバボ

今回は、アメリカで起こった、ムーア訴訟について調べてみます。

 

この、アメリカで起こったムーア訴訟は、白血病のなったアメリカ人、ジョンムーアが起こした訴訟で、その分野の第一人者である、ゴルディ医師から脾臓を全摘出され、その後に起こした訴訟です。

 

ジョンムーアは、自分の命を救って信頼していたはずの、ゴルディ医師に対して訴訟を起こしたのでしょうか?

 

この裁判や事件の内容は、多くのメディアに取り上げられ日本でも『世界仰天ニュース』や『奇跡体験アンビリバボー』でも取り上げらています。

 

1976年、アメリカ。白血病になったムーアは、その分野の第一人者であるゴルディ医師のいる病院へ。診察の結果、脾臓を全摘出することに。術後、3カ月に一度の定期検診のためシアトルの自宅からカリフォルニアの病院まで飛行機で通院、また検診の際、不可解な同意書へのサインを求められた。やがて彼は通院にかかる交通費など考えると負担が大きい事もあり、自宅近辺で同じ検査をし、結果を報告する方法を提案した。だがゴルディ医師の答えは予想外のものだった。検診にかかる交通費や、滞在中利用する高級ホテルの宿泊費まで、病院で負担するという。さらに不可解な同意書に疑問を感じた彼は、一度「同意しない」に印をつけてみた。すると医師は同意書を執拗に郵送してきては「同意する」に印をつけるように求めてきた。自分の命を救ってくれた医師。指示に従うべきか?それとも無視するのか?あなたならどうする?

引用:https://www.fujitv.co.jp/unb/

 

この事件の真相や裁判、ジョンムーアやゴルディ医師のその後など、あれこれ調べてみました。

 

では、さっそく♪

 

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ジョンムーア訴訟の事件の内容は?

事件は、1976年アメリカ人男性のジョンムーアが仕事先で鼻血を出し倒れ、その後病院の精密検査の結果、脾臓が以上に腫れ上がる白血病(血液のガン)と診断されました。

 

ジョンムーアは、すぐに白血病の治療に定評がりその分野の第一人者とされるロサンゼルスにある、通称UCLA、カリフォルニア・ロサンゼルス大学の付属病院の血液学の権威、ディビッド・ゴルディ医師が担当医になりました。

 

ディビッド・ゴルディ医師は、ジョンムーアを『慢性白血病』診断結果を出しました。

 

そして、ジョンムーアは非常に稀なケースの『変異T細胞型毛状細胞白血病』だったこともわかりました。

 

この『変異T細胞型毛状細胞白血病』はT細胞と呼ばれる細胞だけが異常になる、慢性白血病の一種で、白血病患者の1%も満たない珍しい症例だったのです。

 

ジョンムーアの治療法

ジョンムーアの白血病の治療法は、慢性白血病でよく行われる治療法で、肥大化した脾臓を取り除き、血液の流れを正常に戻す治療と手術が行われました。

 

ジョンムーアは、治療と手術に対して十分な説明を受けたという証明書と、医師の勝手な医療行為を防ぐためと医療訴訟に対する、それぞれの自己防衛のための同意書にサインをしました。

 

そして、手術は無事成功し、定期検診と薬での治療が行われました。

 

ジョンムーアの術後の生活

ジョンムーアはシアトルで食品会社のセールスマンの仕事をされていて、シアトルからロサンゼルスの病院まで、経過観察のため2〜3ヶ月ごとに飛行機で行き診察を受けていました。

 

経過観察では、骨髄・血液・精液の採取を受け、シアトルからロサンゼルスまで通院生活が数年続きましたが、ジョンムーアは同じような検査であれば、シアトルの病院でもできるのではと考えるようになり、ゴルディ医師に相談します。

 

しかし、ゴルディ医師から驚きの提案があり、通院にかかる飛行機代を負担し、高級ホテルの宿泊も手配すると提案されました。

 

普通に考えて、医者や病院が通院患者の交通費や宿泊費を負担するとはありえないですね。

 

ジョンムーアが疑いを持ち始める

ジョンムーアは、手術から7年が経ったころ、初めて疑いを持ち始めます。

 

それは、1983年に看護師から渡された1通の同意書でした。

 

同意書にはこう書かれていました。

 

「私 は、私の身体から採取された血液や骨髄から作られるすべての細胞株やその他の潜在的製品に 対して、私または私の相続人が有するあらゆる権利をカリフォルニア大学に自主的に譲渡(す る・しない)」

 

ジョンムーアは事を荒立てたくない気持ちと、見捨てられるかもしれない、そうなると死ぬか大変なことになると思い『する』に丸をつけました。

 

そして、次の診断でも全く同じ同意書が渡され、ジョンムーアは自分の組織を使い、何か商業的なことを行っているのか、ゴルディ医師に訪ねたところ『UCLA がそんなことをするわけがない』と言われました。

 

しかし、疑いを持ったジョンムーアは、同意書に『しない』と丸をつけたところ、ゴルディ医師から連絡があり、間違えて記入してあると伝え、再度署名をするように伝え。ジョンムーアも間違えたと伝えましたが、署名には行きませんでした。

 

その後、郵送で同意書が送られてきましたが、送り返さずにジョンムーアは弁護士に相談することになり、真相が明らかになりました。

 

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ゴルディ医師が同意書を求めた理由は?

ゴルディ医師がジョンムーアに執拗に同意書を求めたのには理由がありまた。

 

ゴルディ医師は、ジョンムーアの細胞から生成される貴重なタンパク質に対する特許を出願していたことが、明らかになりました。

 

ジョンムーアの細胞は特別で、感染症やガンの治療に利用できる、貴重なタンパク質が生成できることがわかり、さらにHIV治療に繋がるような稀なウイルスがジョンムーアの細胞に含まれていたのです。

 

ゴルディ医師はバイオテクノロジー企業と契約をし、細胞の「商業的開発」と「科学的研究」の為に、350万ドルの資金提供を受けることになっていました。

 

ジョンムーアは、知らないところで治療以外に、自分の細胞で研究や開発が進められ、商業用に特許を取得されていたのです。

 

ジョンムーアの細胞は稀な細胞で、製薬会社にとっては研究に使用した細胞ですが、ゴルディ医師の特許があり特許権の侵害になる為、ジョンムーアは売ることも、寄付することも出来なっかのです。

 

しかし、ヒトの皮膚や血液など自然に発生するものに対しては特許権は認められず、人間の創意工夫で何らかの変更が加わると特許権の対象になるそうです。

 

ジョンムーアの細胞の場合は、ゴルディ医師がジョンムーアの細胞株(生体から単離した細胞や、遺伝子などに何らかの手を加えた細胞が、一定の性質を保ったまま、長期間にわたって安定的に増殖・培養できる状態になったもの)樹立しなければ、ジョンムーアの体外で生き延びることが出来ないので、特許が認められたのです。

 

しかし、ゴルディに騙されたと思った、ジョンムーアは訴訟をゴルディ医師とUCLAに対して起こしています。

 

ジョンムーア訴訟の裁判は?

ジョンムーアの訴訟の内容は、騙されたと詐欺罪の訴えと、摘出された組織の所有権を主張し、ゴルディ医師を窃盗罪で訴え、横領などを含めた13の訴因で訴えていました。

 

ジョンムーアが自分の組織に対して所有権を法的に主張し、利益と損害賠償を求め訴えた裁判を起こした最初の人物として注目を集めました。

 

ゴルディ医師は容疑を否認し、研究者たちにも動揺したそうです。

 

血液細胞や摘出細胞に所有権が患者に認められた場合、事前に同意や所有権の譲渡がない場合は窃盗罪の罪に問われることになり、ジョンムーアが勝訴すれば、今後の研究に大きな混乱を招くことになるため、裁判は注目されました。

 

前代未聞の裁判は、第一審では、ジョンムーアの訴えに対して証拠不十分として棄却。

 

ジョンムーアは控訴し第二審では逆転勝訴しましたが、ゴルディ医師が控訴し勝訴しました。

 

裁判は困難を極め、最終的にはジョンムーアから摘出した細胞に所有権が認められず、信頼義務の違反の主張を認める結果になっていました。

 

これによって、摘出された細胞に所有権はないことになったのです。

 

自分が知らないところで、細胞が勝手に使われ金儲けに使われるのは考えものですが、病気の治療の研究に使われるのであれば、人類にとっては良いことですね。

 

しかし、一言教えて欲しいですね^^;

 

ジョンムーアやゴルディ医師のその後は?

ジョンムーアとゴルディ医師は現在は、亡くなっています。

 

ジョンムーアは、米国最高裁判所に上訴しましたが、棄却され2001年に亡くなっています。

 

ゴルディ医師も、亡くなりましたが、ジョンムーアにかけられた容疑を、ずっと否定されていたそうです。

 

医学研究者にとっては、この裁判はは「研究目的でヒト組織を共有することに対する脅 威になる」と意見があり、今後の研究にも大きな影響がでるといわれていました。

 

現在では、ドナー提供や亡くなった後の検体に提供する場合などの同意を生前にする仕組みもあります。

 

しかし、摘出した細胞などの所有権は、現在のところは無いのが現状です。

 

人類の為に使われるのであれば、納得できますが、特許をとりお金儲けに使われるのは、気分がよく無いですね。

 

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